車両

5300系・5700系

概要

 1986年に登場した2扉・転換クロスシートのSR車です。車体は前面非対称で車掌台側を大窓として眺望に配慮、側窓は扉間を連続窓としてパノラマカーやSR車の系譜を引き継いでいます。一方扉は1400mmと幅広としたほか座席も転換クロスシートは扉間と先頭部のみで車端部はロングシート、扉付近もかなり広く取って閑散時のみ使用可能な補助座席を設けています。

 5700系は通勤車6500系と同等の界磁チョッパ制御を採用したのに対し、5300系は制御装置(界磁添加励磁制御)こそ新製したものの、台車や主電動機など主要機器は老朽化していたSR車5000系・5200系から流用しています。

 5700系は4連5編成が、5300系は4連8編成と2連5編成が製造され分け隔てなく運用されました。5700系には1989年に6800系並みの機器を持つ中間車(5600形)が製造され2編成が6両化されています。機器流用車の5300系については台車の交換が実施されましたが、5000系由来のFS307形台車こそ全廃されたものの5150形および5200系由来のFS315形台車は過半が残ってしまいました。

 竹鼻線には4連が岐阜直通運用に、2連が岐阜直通のほか1800系の線内折り返し運用の代走として入線する機会が多く見られました。2009年から5300系の廃車が開始されたほか5700系の6両編成は4両に戻り、後から製造された中間車は廃車された5300系の前頭部を接合の上4両編成の5600系として再デビューを果たしました。しかし5300系の機器の老朽化に加え、2扉車自体がラッシュには適さないことから本形式より前に登場した6000系を差し置いて廃車が進行、2017年からは5700系の廃車も開始され2019年に全廃されました。なお最後の編成は廃車の数日前まで竹鼻線に入線しており、鉄道ファンが訪れることの少ない竹鼻線にもこの時ばかりは多くのファンが集まりました。

外見・装備

内容更新:
ページ公開:2020年5月8日

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