車両

概要

　1977年に登場した名鉄初の本格的通勤車です。車体は7700系をベースとした前面貫通式ながら貫通扉上に方向幕を設置、側面は名鉄初の両開き3扉とした一方通勤車にしては珍しく側窓を全て固定式としています。車内は足の長い運用を想定してか扉間に小型の固定クロスシートを配しており、これら新機軸や独自性が評価され鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しています。当初4両編成のみの製造でしたが3次車で2両編成が登場、以後は2両編成・4両編成の双方が製造されました（側面固定窓の1〜4次車を以後「初期車」と表記）。

　1980年の5次車からは「省エネ化」と称し側窓を全て開閉可能とする代わりに、冷房装置を1両あたり3基から2基に削減するとともに熱交換器を設置（側面開閉窓の5〜8次車を以後「中期車」と表記）。1984年の9次車からは2両編成のみの製造となり同年製造の6500系（4両編成）と車体を共通化、前面は非貫通式とし窓回りを銀色にした「鉄仮面」スタイルとなりました。側面見付も変更され従来異なっていた先頭車と中間車の扉位置を共通化、車内はクロスシートを大型化しています（前面非貫通の9・10次車を以後「後期車」と表記）。

　制御方式は一般的な抵抗制御、機器構成を従来の高性能車（SR車）の全電動車方式から経済的なMT同数編成とするため大出力の主電動機を採用しています。ブレーキは発電制動併用の電磁直通ブレーキを採用。回生制動を常用する6500系登場後も2両編成に限って本形式の製造が続いたのは、支線区での回生失効を嫌ってのことと言われます。普通列車への充当を念頭に置いた性能としたため最高速度は100km/hに抑えられていますが、これが後年高速化する主要線区では足枷となり支線転用が進む結果となりました。

　1985年までに2両編成・4両編成各26編成、計156両が製造され名鉄最大の勢力となりました。不評だった初期車・中期車のクロスシートは1985年から1990年にかけ全てロングシート化、後期車も後年に一部改造されています。1995年からは瀬戸線への転用が開始されたほか、1998年の西尾・蒲郡線や2001年の三河線でのワンマン化ではそれに対応する改造が実施されるなど特定路線での専属となる車両が増加。1998年からは初期車に特別整備が行われましたが、中期車・後期車には実施されないまま2011年にまず瀬戸線所属車から廃車が発生。同線所属車は2014年までに全廃されたほか、2016年以降は本線所属の中期車・後期車にも廃車が発生しています。一方三河線ワンマン運転に対応する中期車は2015年から特別整備が行われており、今後も当分の間使用されそうです。

外見・装備

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  　4両編成の7次車（6036F）。
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  　初期の3次車（6014F）。固定窓であったりドアの形状が異なります。三河ワンマン対応工事前の様子です。
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  　三河ワンマン対応の8次車（6039F）。特別整備により行先表示のLED化等が行われ、当分の間使用されそうです。
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  　後期の9次車（6047F）は前面デザインが変更され「鉄仮面」となっています。
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  　ロングシートの車内。
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  　中期車の特別整備が行われた編成の車内の様子。

編成表（瀬戸線を除く）